代謝ナビゲーション ミトコンドリアを中心とする代謝ネットワーク
10/03/2020 11:43:02, 本, 大竹明
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によって 大竹明
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内容紹介 ほとんどの医学・生物学系の大学で学ぶ学生や大学院生あるいは医師にとって, 代謝という言葉を聞くと生化学の授業をイメージして,難しく複雑であるという イメージをもっているのではないでしょうか? 著者も序文で述べられているように,代謝学研究の黄金時代は1960年頃まで であり,古典的学問として認識され,1980年代以降は分子生物学やゲノム的手法 を用いて生命を解明する研究が一気に進んできました。しかし,ここ十数年は, 生命現象や病気の理解のためには,やはり代謝との関わりをみることが重要であ るということが再認識されるようになってきました。 われわれも,ミトコンドリア病患者の生化学診断および原因遺伝子の解明と, その遺伝子の異常によって起こる病態を解明する研究を進める中で,代謝の重要 性を再認識して既存の生化学の教科書を読むのですが,どうもしっくりとこない 部分がありました。そういった状況の中で,このCold Spring Harbor Laboratory Pressの“Navigating Metabolism"を手にして読んだところ,「代謝学」はこん なにもおもしろくて,分かりやすいものなのだと教えられ,まさに“目からうろこ" の状態で,是非ともこの書を翻訳して広く医学生物系の学生や大学院生,医師に 読んでもらいたいということで意見が一致しました。 どんな点がわかりやすいかというと,代謝回路を構成する化合物の構造や反応 を1つ1つ解説するのではなく,回路と回路がどこでつながって,最終的にどこ に行くかということが概念的に明確に提示されていることです。例えれば,従来 の教科書の多くは,山手線,中央線,京葉線などの各線の駅名を覚えるような解 説が多かったのに対し,本書では渋谷から御茶ノ水に行くのに,何線を使って何 駅で乗り換えるかがわかりやすく示されているのです。 ではなぜそんなに分かりやすく解説できるかというと,本書の最大の特長とし て,ミトコンドリアをハブにして,回路と回路をつなげる見方をしているからでしょ う。解糖系も,糖新生も,脂質代謝も,アミノ酸代謝も,シグナル伝達も,がんも, すべてがミトコンドリアを中心にして書かれているのです。よく考えて生化学を 思い起こせば当然のことですが,ここまですべての代謝経路について,ミトコン ドリアでの代謝を中心において解説したものはなかったと思います。また,ミトコ ンドリアがハブになっていることを説明する図が非常にきれいでわかりやすく,か つ魅力的に描かれており,図をみているだけで楽しくなってきます。 著者も述べられているように,本書は,代謝経路の概念的枠組みと生物学の他 分野との関連性をテーマとした簡単な入門書としての役割が大きく,既存のすば らしい生化学の教科書の代わりとはなりませんが,生化学という学問と生物学, 生理学,疾患と代謝とのつながりを説明することで教科書を補完できるようになっ ています。また12章では,近年の代謝学問の再活性化に寄与してきた第一線の研究者達が,細胞・生体の代謝の変化が糖尿病,がん,神経変性を含めた疾患の発 症機序に寄与するかということが,どのような経緯で注目されるに至ったかにつ いて説得力のある例をあげて解説してくれており,これから自分で研究を志そう とする者にとって非常に有用な道標となっています。 以上のような理由で,この本は,代謝の新しい見方が書いてある,非常に素晴 らしい本です。生化学が嫌いという人たちには,この本も同じように見えるかも 知れませんが,われわれにとっては,生化学をこのような形でとらえて教えてく れていたら,学生のときにもっと興味をもって勉強できたなあと思える本で,医学・ 生物学系の大学生,大学院生をはじめとして,代謝異常症,糖尿病,がんをはじ めとする様々な病気を扱う医師にとっても非常に有用な書となることは間違いな いと確信しています。 最後になりましたが,今回本書を翻訳するにあたって,忙しい業務の合間をぬっ て翻訳に携わってくださった方々に感謝するとともに,ともすれば原稿が遅れが ちなわれわれを叱咤激励してタイムキーパーの役割を果たし,また懇切丁寧に校 正の労をおとりくださった,メディカル・サイエンス・インターナショナル社の藤 川良子様,久保苑加様,星山大介様に感謝の意を表します。 平成29年9月 大竹 明 岡﨑康司 村山 圭 出版社からのコメント ここまで変わった!! 代謝の見方 代謝は、その変化が糖尿病、神経変性疾患、がん、肝毒性、心血管疾患、炎症性疾患などを引き起こすことがわかり、近年再び脚光を浴びている。本書では代謝回路を構成する化合物の構造や反応を1つ1つ解説するのではなく、ミトコンドリアを中心とする見方で代謝反応の流れや、代謝回路の結び付きに焦点を当てて解説し、さらに最先端の研究との関連もまとめる。代謝に関して新しい捉え方をまとめた(再)入門書として学生、研究者のみならず、臨床家にも有用。
以下は、代謝ナビゲーション ミトコンドリアを中心とする代謝ネットワークに関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
監訳をされているのが大竹先生なので買いました。これまでとりつきにくかった代謝学が生物の営みだけでなく全ての病気に関係しているかが書いてあり、臨床医にとっては革命的に面白い本です!
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